予期せぬ病気や怪我によって病院を受診した際、会計時に想像以上の金額を提示され、手持ちのお金が足りない事態に陥ることは誰にでも起こり得ます。このような状況でまず知っておくべきは、日本の医療制度には高額な支払いを抑えるための様々な救済策が用意されているという点です。最も代表的なものは高額療養費制度です。これは、一ヶ月の間に同一の医療機関で支払った自己負担額が、所得に応じて設定された限度額を超えた場合、その超過分が後日払い戻される仕組みです。あらかじめ入院や高額な治療が分かっている場合には、限度額適用認定証を事前に申請して窓口で提示することで、最初から支払いを限度額までに抑えることが可能です。これにより、多額の現金をその場で用意する必要がなくなります。また、生活が困窮しており支払いが極めて困難な場合には、一部負担金減免制度という仕組みが存在します。これは、災害や失業、著しい収入減少などの特別な事情がある場合に、医療費の自己負担分を免除したり減額したり、あるいは支払いを猶予したりする制度です。対象となる条件は自治体や加入している保険組合によって異なりますが、窓口で支払えないと諦める前に、自分が対象になるかどうかを確認する価値は十分にあります。さらに、自治体によっては独自の医療費助成制度を設けていることも多く、特定の疾患や子供、ひとり親家庭などを対象とした支援も活用できるかもしれません。お金が足りないという不安は、治療への専念を妨げる大きなストレスとなります。まずは深呼吸をして、自分が利用できる制度がないかを地域の福祉窓口や病院の相談員に尋ねてみることが、解決への第一歩となります。公的な支援は申請しなければ受けられないものが多いため、まずは情報を収集し、適切に手続きを進めることが、健康と生活を守るための鍵となります。
医療費の支払いに困ったときに活用できる公的制度