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喘息の悪化を防ぐ!発作のサインと受診の目安
喘息は、適切な治療と自己管理によって、良好なコントロール状態を維持できる病気ですが、油断すると症状が悪化し、重篤な発作に至ることもあります。発作の初期サインを見逃さず、早めに対処し、必要であれば速やかに医療機関を受診することが、重症化を防ぐためには非常に重要です。どのようなサインに注意し、どのタイミングで受診すべきなのでしょうか。まず、喘息が悪化し始めているサイン(イエローゾーンのサイン)としては、以下のようなものがあります。咳や痰が増えてきた。夜間や早朝に咳き込んで目が覚めることが増えた。軽い運動や会話でも息切れや咳が出やすくなった。ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)が少し聞こえるようになった。ピークフロー値が自己最良値の80%未満に低下してきた。発作治療薬(リリーバー)の使用回数が増えてきた(例えば、週に2回以上など)。これらのサインに気づいたら、まずは医師から指示されている対処法(例えば、発作治療薬の追加吸入や、長期管理薬の一時的な増量など)を行い、それでも改善しない場合や、症状が続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。次に、明らかに喘息発作が起きており、緊急性の高いサイン(レッドゾーンのサイン)としては、以下のようなものが挙げられます。安静にしていても息苦しい、呼吸が困難。横になれず、座っていないと呼吸ができない(起坐呼吸)。会話が途切れ途切れになる、あるいは話すのもつらい。唇や爪の色が青紫色になる(チアノーゼ)。意識が朦朧とする、ぐったりして反応が鈍い。発作治療薬を吸入しても、効果がない、あるいは効果が一時的ですぐに苦しくなる。ピークフロー値が自己最良値の50%未満に著しく低下している。これらのサインが見られたら、ためらわずに直ちに救急車を呼ぶか、救急外来を受診してください。一刻も早い専門的な治療が必要です。日頃から、自分の喘息の状態を把握し(喘息日記やピークフロー測定など)、悪化のサインに敏感になること、そして、いざという時の対処法や受診のタイミングについて、主治医とよく相談しておくことが、喘息と上手に付き合っていくためには不可欠です。