RSウイルス感染症において、特に月齢の低い赤ちゃん(特に生後6ヶ月未満、中でも生後1~2ヶ月の新生児期や乳児期早期)で注意が必要なのが、「無呼吸発作」です。無呼吸発作とは、文字通り、一時的に呼吸が止まってしまう状態を指し、RSウイルス感染症の重症な症状の一つです。もし、赤ちゃんに無呼吸発作が見られたら、それは非常に危険なサインであり、直ちに医療機関を受診する必要があります。無呼吸発作は、通常、15秒から20秒以上呼吸が停止する状態を指しますが、それより短い時間であっても、呼吸停止とともに顔色が悪くなったり(チアノーゼ)、脈が遅くなったりするような場合は、注意が必要です。RSウイルス感染症による無呼吸発作は、特に早産児や、生まれつき心臓や肺に病気のある赤ちゃん、あるいは神経系の疾患を持つ赤ちゃんに起こりやすいと言われています。また、必ずしも高熱や激しい咳といった他の症状が顕著でなくても、突然無呼吸発作が起こることがあります。無呼吸発作が起こると、体内に十分な酸素が供給されなくなり、脳にダメージが及んだり、最悪の場合は命に関わる危険性もあります。そのため、無呼吸発作の疑いがある場合は、ためらわずに救急車を呼ぶか、夜間や休日であれば救急外来を受診するなど、緊急の対応が必要です。医療機関では、呼吸状態や酸素飽和度などをモニターし、必要に応じて酸素投与や、呼吸を助けるための処置(気管挿管や人工呼吸器管理など)が行われます。また、無呼吸発作の原因となっているRSウイルス感染症そのものに対する治療(対症療法や支持療法)も並行して行われます。日頃から、赤ちゃんの呼吸の様子を注意深く観察し、いつもと違う、息が止まっているようだ、顔色が悪いといったことに気づいたら、すぐに医療機関に連絡し、指示を仰ぐようにしましょう。特に、RSウイルスが流行している時期や、家族に風邪症状の人がいる場合は、より一層の注意が必要です。
RSウイルス無呼吸発作が見られたらすぐ病院へ