歩いている時や、つま先立ちになった時、足の指の付け根あたり、特に第3指と第4指の間(中指と薬指の間)や、第2指と第3指の間(人差し指と中指の間)に、「ピキッ」としたり、「ジンジン」としたりするような、電気が走るような鋭い痛みやしびれを感じる…。それは「モートン病」かもしれません。モートン病は、足の指へ向かう神経(趾間神経:しかんしんけい、特に足底の神経)が、足の指の付け根の部分(中足骨頭間:ちゅうそくこっとうかん)で、周囲の組織(靭帯や滑液包など)によって圧迫されたり、機械的な刺激を受けたりすることで起こる神経障害(神経腫:しんけいしゅ、実際には腫瘍ではなく神経の肥厚や変性)です。特徴的な症状は、前述の通り、歩行時や特定の靴を履いた時に、足の指の付け根に現れる鋭い痛みやしびれ、灼熱感です。時には、足の指先まで痛みが放散することもあります。症状は、靴を脱いだり、足をマッサージしたりすると一時的に和らぐことが多いです。また、患部を押すと強い痛みを感じたり(ティネル様サイン陽性)、足の指を背屈(甲側に反らせる)させると症状が悪化したりすることもあります。モートン病の原因としては、まず、足に合わない靴の着用が挙げられます。特に、先の細い靴やヒールの高い靴は、足の指の付け根部分に体重が集中し、神経を圧迫しやすくなるため、発症のリスクを高めます。また、長時間の立ち仕事や、ランニングやジャンプといった足の指の付け根に繰り返し衝撃がかかるスポーツ、あるいは中足骨の骨頭間のスペースが狭くなるような足の構造的な問題(例えば、開張足など)も、モートン病の誘因となると考えられています。もし、これらの症状に心当たりがある場合は、整形外科を受診しましょう。医師は、問診や診察、そして必要に応じてレントゲン検査や超音波検査、MRI検査などを行い、診断を確定します。治療としては、まず保存的治療(安静、靴の指導、インソール、薬物療法、神経ブロック注射など)が行われ、改善が見られない場合には手術療法が検討されることもあります。
モートン病かも?足の指の付け根のピキッとした痛み