暑さで気分が悪くなった場合、多くは涼しい場所で休み、水分を補給することで回復しますが、中にはすぐに医療機関を受診すべき危険なサインもあります。どのような症状が見られたら、ためらわずに病院へ行くべきなのでしょうか。その見分け方を知っておくことは、自分自身や周囲の人の命を守るために非常に重要です。まず、意識障害がある場合です。呼びかけに反応しない、返事がおかしい、言動が支離滅裂、あるいは意識を失ってしまった場合は、最も重篤な熱中症である「熱射病」の可能性が高く、一刻を争う緊急事態です。直ちに救急車を呼びましょう。次に、けいれんを起こしている場合です。手足がガクガクと震えたり、全身が硬直したりするようなけいれんが見られたら、これも重症のサインです。けいれん中は、周囲の危険物を遠ざけ、頭を保護しますが、無理に押さえつけたり、口の中に物を入れたりしないようにしましょう。そして、体温が異常に高い場合(例えば、体温計で40℃を超えるような高熱)も、危険な状態です。体に触ると熱く、皮膚が乾燥している場合は、体温調節機能が破綻している可能性があります。また、水分を自分で摂取できない、あるいは飲んでもすぐに吐いてしまう状態が続き、脱水症状が明らかな場合(例えば、尿がほとんど出ない、皮膚が乾燥して弾力がない、目がくぼんでいるなど)も、医療機関での点滴治療が必要となります。さらに、まっすぐ歩けない、手足がうまく動かせないといった運動障害や、頭痛が非常に強い、吐き気が止まらない、胸の痛みや圧迫感、呼吸困難といった症状が続く場合も、単なる暑さによる不調ではなく、脳卒中や心筋梗塞といった他の重篤な疾患の可能性も否定できません。特に、高齢者や乳幼児、持病のある方(心臓病、腎臓病、糖尿病など)、あるいは肥満の方、普段運動をしていない方は、症状が重症化しやすいため、より慎重な対応が必要です。これらの「危険なサイン」を見逃さず、少しでもおかしいと感じたら、自己判断せずに、速やかに医療機関を受診するか、救急車を要請するようにしてください。
暑くて気持ち悪い時すぐに病院へ行くべき危険なサイン