突発性発疹の診断を決定づける最も特徴的な症状が、熱が下がった後に現れる「発疹」です。高熱が3~4日間続いた後、ストンと平熱に戻るのとほぼ同時か、あるいは半日から1日程度遅れて、体に赤いブツブツとした発疹が出現します。この「解熱後の発疹」という経過が、突発性発疹の大きな特徴であり、他の発疹性疾患との鑑別点となります。発疹は、まずお腹や背中といった体幹部を中心に現れ始め、その後、顔や首、腕、足など、全身に広がっていきます。発疹の性状は、数ミリ程度の大きさの、平らな赤い斑点(紅斑)や、少し盛り上がった赤い丘疹(きゅうしん)であることが多いです。これらの発疹が、個別に散らばっていることもあれば、一部でくっつき合って大きなまだら模様のようになることもあります。水ぶくれ(水疱)やかさぶたになることはありません。そして、突発性発疹の発疹のもう一つの特徴は、かゆみがほとんどないか、あってもごく軽度であることです。そのため、子どもが発疹を気にして掻きむしってしまうことは稀です。この発疹は、通常、出現してから2~3日程度でピークを迎え、その後は徐々に薄くなり、数日以内に自然に消えていきます。痕を残すこともほとんどありません。発疹が出ている間は、見た目が痛々しく感じるかもしれませんが、本人は比較的元気で、機嫌も良いことが多いと言われています(ただし、解熱後に不機嫌になる「不機嫌病」と呼ばれることもあります)。発疹に対する特別な治療は必要ありません。皮膚を清潔に保ち、刺激の少ない衣類を着用させるなどの一般的なスキンケアで十分です。もし、発疹にかゆみが伴う場合や、なかなか消えない、あるいは他の気になる症状が現れた場合は、再度小児科を受診し、医師に相談するようにしましょう。