夏バテによる吐き気の根本的な原因の一つに、自律神経の乱れがあります。暑い屋外と冷房の効いた室内との急激な温度差や、暑さによる睡眠不足、ストレスなどが、自律神経のバランスを崩し、胃腸の不調や吐き気を引き起こすのです。したがって、夏バテの吐き気を根本的に解消するためには、この乱れた自律神経を整えることが非常に重要になります。では、どのようにすれば自律神経を整えることができるのでしょうか。まず、規則正しい生活を送ることが基本です。毎日同じ時間に寝起きし、十分な睡眠時間を確保しましょう。質の高い睡眠は、自律神経のバランスを整える上で最も重要です。寝る前にスマートフォンやパソコンの使用を控えたり、寝室の環境を快適にしたりする工夫も大切です。次に、バランスの取れた食事を三食きちんと摂ることです。特に、朝食を抜くと、体内時計が乱れ、自律神経の不調に繋がりやすくなります。ビタミンB群やトリプトファン(必須アミノ酸の一種で、セロトニンの材料となる)を多く含む食品(例えば、大豆製品、乳製品、ナッツ類、バナナなど)を意識して摂取するのも良いでしょう。また、適度な運動も、自律神経の働きを整えるのに効果的です。ウォーキングやジョギング、水泳といった有酸素運動や、ヨガ、ストレッチなどを、無理のない範囲で習慣にしましょう。運動は、血行を促進し、ストレス解消にも役立ちます。入浴も、シャワーだけでなく、ぬるめのお湯(38度から40度程度)にゆっくりと浸かることで、副交感神経が優位になり、リラックス効果とともに自律神経のバランスを整える効果が期待できます。そして、ストレスを上手にコントロールすることも重要です。趣味の時間を持つ、好きな音楽を聴く、深呼吸をする、瞑想をするなど、自分なりのストレス解消法を見つけ、こまめに実践しましょう。これらの生活習慣の改善は、すぐに効果が現れるわけではありませんが、根気強く続けることで、自律神経のバランスが整い、夏バテによる吐き気だけでなく、様々な不調の予防・改善に繋がるはずです。
自律神経を整える!夏バテ吐き気の根本対策