口角炎が疑われる場合、医療機関ではどのような流れで診断が行われ、どのような検査が必要になるのでしょうか。そのプロセスを理解しておくと、安心して受診できるでしょう。まず、医療機関(主に皮膚科、歯科・口腔外科、内科など)を受診すると、医師による詳しい問診が行われます。いつから、唇の両端(口角)に、どのような症状(赤み、腫れ、亀裂、びらん、かさぶた、痛み、かゆみ、出血など)があるのか、症状の程度や経過、食事や会話の際に痛みがあるか、他に症状(例えば、舌炎や口内炎、皮膚の乾燥、全身倦怠感など)はないか、最近の体調変化、食生活(偏食の有無など)、アレルギー歴、既往歴(特に糖尿病、貧血、免疫不全など)、服用している薬(市販薬やサプリメントも含む)、そして普段の口腔ケアの状況などを詳しく聞かれます。この問診は、口角炎の原因を推測する上で非常に重要な情報となります。次に、視診と触診です。医師は、口角の患部の状態(炎症の範囲や深さ、浸出液の有無、亀裂の方向など)を注意深く観察します。また、口腔内全体(舌や歯茎、頬の粘膜など)の状態や、唇全体の乾燥具合、あるいは他の皮膚症状の有無なども確認します。これらの問診と診察所見から、多くの場合、口角炎の診断が下されます。しかし、原因をより詳しく特定するためや、他の疾患との鑑別、あるいは治療方針の決定のために、いくつかの検査が行われることがあります。代表的な検査としては、「真菌検査(KOH直接鏡検)」があります。これは、口角の患部から皮膚の表面の鱗屑(フケのようなもの)や、びらん面を少量こすり取って、顕微鏡でカンジダなどの真菌(カビ)の有無を調べる検査です。カンジダ性口角炎が疑われる場合に特に重要です。また、細菌感染が疑われる場合には、「細菌培養検査」を行い、原因菌を特定したり、効果のある抗菌薬を調べたりすることもあります。さらに、栄養状態の評価や、全身疾患(例えば、鉄欠乏性貧血や糖尿病、ビタミン欠乏症など)の可能性を探るために、「血液検査」が行われることもあります。これらの問診、診察、検査結果を総合的に判断し、医師は口角炎の診断を下し、その原因を特定して、適切な治療方針を決定します。
口角炎診断までの流れと検査内容