口角炎と診断された場合、その治療は、原因や症状の程度によって異なります。自己判断で誤ったケアをすると、症状が悪化したり、治癒が遅れたりする可能性もあるため、医師の指示に従い、適切な治療を受けることが大切です。まず、原因がカンジダなどの真菌(カビ)感染である「カンジダ性口角炎」の場合は、抗真菌薬の塗り薬(外用薬)が処方されます。医師の指示通りに、患部に適量を塗布します。症状が改善しても、再発を防ぐために、指示された期間は塗り続けることが重要です。細菌感染が原因である場合や、二次的な細菌感染を合併している場合は、抗菌薬(抗生物質)の塗り薬や、場合によっては飲み薬(内服薬)が処方されます。炎症や痛みが強い場合には、弱いランクのステロイド軟膏が短期間用いられることもあります。ステロイド軟膏は、炎症を強力に抑える効果がありますが、長期間の使用や自己判断での使用は避けるべきです。乾燥や亀裂が主な症状である場合は、保湿剤(ワセリンや保湿クリームなど)をこまめに塗布し、皮膚のバリア機能を高めることが重要です。また、ビタミンB群や鉄分の不足が原因と考えられる場合は、これらの栄養素を補給するためのビタミン剤や鉄剤の内服薬が処方されることがあります。食事からの摂取ももちろん大切です。口角炎の治療中は、患部を清潔に保つことが基本です。食後は、口の周りをきれいに拭き、うがいをするなどして、食べカスや細菌が残らないようにしましょう。ただし、ゴシゴシと強くこすったり、頻繁に消毒しすぎたりするのは、かえって皮膚を刺激し、治癒を妨げる可能性があるため注意が必要です。また、口角炎の誘因となるような刺激物(香辛料の多い食事、酸っぱいもの、硬いものなど)は、症状が落ち着くまでは避けた方が良いでしょう。そして、十分な睡眠と休息を取り、バランスの取れた食事を心がけ、ストレスを溜めないようにすることも、体の免疫力を高め、口角炎の治癒を早めるためには重要です。もし、治療を開始しても症状が改善しない、あるいは悪化するようであれば、再度医療機関を受診し、医師に相談するようにしてください。
口角炎の治療法原因に応じた薬とケア