暑さによる吐き気や気分の悪さは、多くの場合、適切なセルフケア(涼しい場所での休息、水分補給、消化の良い食事など)で数日以内に改善します。しかし、中には症状が長引いたり、悪化したりして、医療機関の受診が必要となるケースもあります。どのような場合に病院へ行くべきなのか、その目安を知っておきましょう。まず、吐き気が非常に強く、水分も全く摂れない、あるいは飲んでもすぐに吐いてしまう状態が続く場合は、脱水症状が急速に進行する危険性があるため、速やかに医療機関を受診する必要があります。特に、尿の量が極端に少ない、口の中や皮膚が乾燥している、ぐったりして意識が朦朧としているといった場合は、点滴による水分・電解質補給が必要となることがあります。次に、吐き気とともに、高熱(例えば、38.5度以上)が続く、激しい頭痛や腹痛がある、血便や血尿が出る、あるいは手足のしびれや麻痺、ろれつが回らないといった神経症状が現れた場合も、単なる夏バテや軽い熱中症ではなく、他の重篤な疾患(例えば、感染性胃腸炎、髄膜炎、脳卒中など)の可能性も考えられるため、緊急性の高い状態です。すぐに医療機関を受診するか、救急車を呼びましょう。また、セルフケアを続けていても、吐き気や食欲不振、倦怠感といった症状が一週間以上改善しない、あるいは徐々に悪化している場合も、一度医師の診察を受けることをお勧めします。もしかしたら、背景に別の病気が隠れていたり、あるいは夏バテが慢性化してしまっていたりする可能性があります。特に、高齢者や乳幼児、そして持病(糖尿病、心臓病、腎臓病など)をお持ちの方は、症状が重症化しやすいため、より慎重な対応が必要です。普段と様子が違う、何かおかしいと感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。受診する診療科としては、まずは内科やかかりつけ医が良いでしょう。そこで初期診断を受け、必要に応じて専門の診療科(例えば、消化器内科や神経内科など)を紹介してもらうという流れになります。自己判断で我慢しすぎず、適切なタイミングで専門家のアドバイスを求めることが大切です。
夏バテの吐き気セルフケアで改善しない時の受診目安