大人が発熱とともに体に発疹が現れた場合、りんご病(伝染性紅斑)も鑑別診断の一つとして考えられますが、似たような症状を引き起こす他の発疹性の病気も多数存在します。自己判断はせず、正確な診断を受けることが大切です。りんご病と間違えやすい代表的な大人の発疹症をいくつかご紹介します。まず、「風疹(三日ばしか)」です。発熱とほぼ同時に、顔や首から全身に細かい淡紅色の発疹が広がり、耳の後ろや首のリンパ節が腫れるのが特徴です。関節痛を伴うこともあります。妊娠初期の女性が感染すると胎児に影響が出るため注意が必要です。「麻疹(はしか)」は、高熱、咳、鼻水、目の充血といったカタル症状の後に、顔から全身に融合傾向のある赤い発疹が広がります。感染力が非常に強く、重症化することもあります。「伝染性単核球症(EBウイルス感染症)」では、発熱、喉の痛み、リンパ節腫脹とともに、体に赤い発疹が現れることがあります。特に、ペニシリン系の抗菌薬を服用すると、薬疹様の皮疹が出やすくなると言われています。「薬疹」も、非常に重要な鑑別対象です。服用している薬(処方薬、市販薬、漢方薬、サプリメントなど)に対するアレルギー反応や中毒反応によって、様々なタイプの皮膚症状(赤い斑点、蕁麻疹、水ぶくれなど)が現れ、発熱を伴うこともあります。原因薬剤の特定と中止が必要です。「膠原病(こうげんびょう)」の一部、例えば全身性エリテマトーデス(SLE)では、顔面に蝶形紅斑(蝶が羽を広げたような赤い発疹)が現れたり、日光過敏、関節痛、発熱といった症状が見られたりします。また、成人スティル病という稀な自己免疫疾患でも、高熱、関節痛、そしてサーモンピンク色の特徴的な皮疹が現れることがあります。「ウイルス性発疹症(エンテロウイルスやアデノウイルスなどによるもの)」も、夏場を中心に流行し、発熱とともに様々なタイプの発疹を引き起こします。これらの病気は、それぞれ原因や治療法、そして注意すべき点が異なります。発熱と発疹が現れたら、自己判断せずに、内科や皮膚科、リウマチ科など、症状に合わせて適切な診療科を受診し、専門医による正確な診断と治療を受けるようにしましょう。