男性更年期障害(LOH症候群)が疑われる場合、医療機関ではどのような流れで診断が行われ、どのような検査が必要になるのでしょうか。そのプロセスを理解しておくと、安心して受診できるでしょう。まず、医療機関(主に泌尿器科や内分泌内科、あるいは男性更年期外来など)を受診すると、医師による詳しい問診が行われます。これが診断において非常に重要なステップとなります。医師は、以下の点について詳しく聞き取ります。いつから、どのような症状(身体症状:倦怠感、疲労感、筋力低下、関節痛、ほてり、発汗、頭痛、めまいなど。精神症状:気分の落ち込み、不安感、イライラ、不眠、集中力低下、記憶力低下、意欲低下など。性機能症状:性欲減退、勃起不全(ED)、朝立ちの減少など)があるのか。症状の程度や経過、日常生活への支障度。これまでの病歴や現在治療中の病気(特に糖尿病、高血圧、脂質異常症、心臓病、うつ病など)、服用している薬(市販薬やサプリメントも含む)、生活習慣(睡眠、食事、運動、飲酒、喫煙、ストレス状況など)、家族歴など。次に、症状の評価のために、標準化された質問票(例えば、AMSスコア:Aging Males’ Symptoms score)が用いられることがあります。これは、男性更年期障害に関連する様々な症状の有無や程度を点数化し、客観的に評価するためのものです。そして、診断を確定するために最も重要なのが、血液検査による男性ホルモン(テストステロン)値の測定です。通常、朝の空腹時に採血し、血液中の遊離テストステロン(フリーテストステロン)または総テストステロンの値を測定します。このテストステロン値が基準値を下回っている場合に、男性更年期障害の可能性が高まります。ただし、テストステロン値は日内変動があり、また、体調やストレスなどによっても影響を受けるため、一度の検査だけでなく、複数回測定することが望ましいとされています。血液検査では、テストステロン値以外にも、下垂体ホルモン(LH、FSHなど)や、前立腺特異抗原(PSA:前立腺がんのスクリーニング)、甲状腺ホルモン、血糖値、脂質、肝機能、腎機能といった項目を調べ、他の疾患の可能性や合併症の有無を評価することもあります。これらの問診、質問票、血液検査の結果などを総合的に判断し、医師は男性更年期障害の診断を下し、適切な治療方針を決定します。
男性更年期障害診断までの流れと検査内容