RSウイルス感染症にかかると、発熱や咳、鼻水といった呼吸器症状だけでなく、哺乳不良や食欲不振が起こりやすく、それが脱水症状に繋がることがあります。特に乳幼児の場合、脱水症状は急速に進行し、重篤な状態に至る可能性もあるため、入院治療が必要となる重要な目安の一つとなります。なぜRSウイルス感染症で哺乳不良や脱水症状が起こりやすいのでしょうか。まず、RSウイルスは気道に強い炎症を引き起こし、咳や鼻づまり、痰のからみなどがひどくなります。そのため、赤ちゃんは息苦しさから、ミルクや母乳を飲むのがつらくなったり、むせてしまったりして、十分に飲めなくなることがあります。また、発熱も食欲不振の原因となりますし、体力を消耗させます。さらに、嘔吐や下痢といった消化器症状を伴うこともあり、これらが脱水症状をさらに助長します。脱水症状の初期のサインとしては、まず、おしっこの回数や量が減ることが挙げられます。普段よりもおむつ替えの回数が減ったり、おむつが軽いと感じたりしたら注意が必要です。尿の色が濃くなることもあります。また、口の中や唇が乾燥していたり、舌が白っぽくなっていたりするのも、水分が不足しているサインです。涙の量が減り、泣いても涙が出にくくなることもあります。機嫌が悪く、ぐずったり、逆にぐったりして元気がなくなったりするのも、脱水症状の兆候です。脱水症状が進行すると、皮膚の弾力性が失われ、つまんだ皮膚が元に戻りにくくなったり、目がくぼんだり、手足が冷たくなったり、脈が速く弱くなったりといった、より深刻な症状が現れます。このような状態になったら、直ちに医療機関を受診する必要があります。哺乳量が普段の半分以下になったり、水分もあまり摂れなかったりする状態が半日以上続くようであれば、自己判断せずに、早めに小児科を受診し、医師の診察を受けましょう。必要に応じて、点滴による水分補給などの処置が行われます。