マイコプラズマ肺炎は、どの年齢層でもかかる可能性がありますが、症状の現れ方や熱の経過は、子どもと大人で若干異なる傾向があると言われています。まず、子どもの場合、特に学童期(小学生くらい)に多く見られ、潜伏期間(通常2~3週間)の後、発熱、頭痛、倦怠感といった全身症状とともに、乾いた頑固な咳が徐々に現れてくるのが特徴的です。発熱は、初期には微熱程度のこともあれば、38度以上の高熱が数日間続くこともあります。熱のパターンも様々で、比較的短期間で解熱する場合もあれば、解熱までに1週間以上かかることや、一度下がった熱が再び上がる二峰性発熱を示すこともあります。咳は、マイコプラズマ肺炎の最も特徴的な症状で、痰の少ない乾いた咳が、夜間や早朝に悪化しやすく、発作的に激しく咳き込むこともあります。この咳は、熱が下がった後も数週間にわたって長引くことが少なくありません。一方、大人のマイコプラズマ肺炎の場合、子どものような典型的な症状が揃わないこともあり、診断が難しいことがあります。発熱は、高熱が出ることもあれば、微熱がだらだらと続いたり、あるいは全く熱が出なかったりするケースも見られます。咳も、乾いた咳だけでなく、痰が絡んだ湿った咳であったり、あるいは咳がそれほどひどくなかったりすることもあります。全身倦怠感や疲労感が強く現れることが多いのも、大人の特徴の一つと言えるかもしれません。また、高齢者や基礎疾患(例えば、喘息やCOPDなど)を持つ方がマイコプラズマ肺炎にかかると、症状が重症化しやすく、呼吸困難や肺炎の悪化を招くリスクがあるため注意が必要です。治療については、子どもも大人も、マイコプラズマに有効な抗生物質(マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系など)が用いられますが、薬剤の選択や投与量は、年齢や体重、そして重症度などを考慮して決定されます。特に小児に対しては、副作用の観点から使用できる薬剤が限られる場合があります。
マイコプラズマ肺炎子どもと大人で熱の経過は違う?