足の裏に「ピキッ」としたり、「ズキン」としたりする鋭い痛みが走った場合、どの診療科を受診すれば良いのか迷うことがあるでしょう。原因によって適切な診療科が異なりますが、まずは整形外科を受診するのが一般的です。整形外科医は、骨、関節、筋肉、靭帯、腱、そして末梢神経といった運動器系の疾患や外傷を専門としており、足の裏の痛みの多くはこれらの運動器系の問題に起因します。例えば、足底筋膜炎、モートン病、アキレス腱付着部炎、踵骨骨端症(シーバー病)、疲労骨折、足根管症候群といった疾患は、整形外科の専門領域です。医師は、問診(いつから、どの部位が、どのように痛むか、どのような時に痛みが強くなるかなど)や診察(患部の腫れや圧痛の有無、特定の動作での痛みの誘発テストなど)を行い、原因を特定します。必要に応じて、レントゲン検査や超音波検査、MRI検査といった画像検査も行われます。治療としては、安静指導、ストレッチや運動療法の指導、靴の選び方のアドバイス、消炎鎮痛剤の処方(内服薬、外用薬)、インソール(足底挿板)の作成、注射療法(ステロイド注射や神経ブロック注射など)、そして場合によっては手術療法といった幅広い選択肢があります。また、ペインクリニックも、痛みの治療を専門とする診療科であり、足の裏の神経性の痛み(例えば、モートン病や、原因不明の神経痛など)に対して、薬物療法や神経ブロック注射といった専門的なアプローチで対応してくれます。特に、痛みが慢性化してしまったり、他の治療で効果が得られなかったりする場合に相談を検討すると良いでしょう。皮膚科も、足の裏の皮膚に異常(例えば、魚の目やタコ、イボ、あるいは皮膚炎など)があり、それが痛みの原因となっている場合に、適切な診断と治療を行ってくれます。もし、足の裏の痛みが、糖尿病による神経障害や、関節リウマチ、痛風といった全身性の疾患の一症状として現れている可能性が考えられる場合は、内科やリウマチ科との連携が必要になることもあります。どの科を受診すべきか迷う場合は、まずはかかりつけ医に相談するか、あるいは症状の状況から整形外科を受診してみるのが良いでしょう。