突発性発疹の最も特徴的な初期症状は、何の前触れもなく、突然現れる高熱です。多くの場合、38度から40度程度の比較的高い熱が急激に出るため、保護者の方を驚かせることが少なくありません。この高熱は、通常3~4日間程度持続します。この発熱期には、高熱にもかかわらず、子どもの機嫌が比較的良かったり、食欲もそれほど落ちなかったりすることが多いと言われています。そのため、「熱は高いけれど、元気そうだから大丈夫かな?」と様子を見てしまうこともあるかもしれません。しかし、中には、高熱によってぐったりしたり、食欲が低下したり、あるいは不機嫌になったりする子もいます。特に月齢の低い赤ちゃんの場合は、全身状態の変化に注意が必要です。発熱以外の初期症状としては、軽い咳や鼻水といった風邪に似た症状が見られることもありますが、必ずしも現れるわけではありません。また、下痢(特に軟便)を伴うこともあります。首や後頭部のリンパ節が少し腫れることもあります。この発熱期には、まだ特徴的な発疹は現れません。そのため、この段階では、突発性発疹と確定診断することは難しく、他の発熱性疾患(例えば、一般的な風邪やインフルエンZA、あるいは尿路感染症など)との鑑別が必要となります。医師は、子どもの全身状態や周囲の流行状況などを考慮し、必要に応じて他の検査(例えば、尿検査やインフルエンZA迅速検査など)を行うこともあります。突発性発疹の診断がはっきりするのは、通常、熱が下がって特徴的な発疹が現れてからとなります。高熱が出ている間は、こまめな水分補給を心がけ、脱水症状を防ぐことが最も大切です。また、熱が高くてつらそうな場合は、医師の指示に従い、解熱剤(アセトアミノフェンなど)を使用することも検討しましょう。そして、子どもの様子を注意深く観察し、何か普段と違う、心配な症状が見られたら、早めに小児科を受診するようにしてください。