歩いている時や、朝起きて最初の一歩を踏み出した瞬間、足の裏に「ピキッ」としたり、「ズキン」としたりする、まるで電気が走るような鋭い痛みが…。こんな経験はありませんか。この突然の痛みは、日常生活に支障をきたすだけでなく、何か悪い病気ではないかと不安になるものです。足の裏にピキッとした痛みが走る原因として、まず最も多く考えられるのが「足底筋膜炎(そくていきんまくえん)」です。足の裏には、かかとから足の指の付け根にかけて、足のアーチを支える強靭な腱組織である「足底筋膜」があります。この足底筋膜に炎症が起こるのが足底筋膜炎で、特に朝起きて最初の一歩や、長時間座っていて動き出す時などに、かかとや土踏まずの部分に鋭い痛みを感じるのが特徴です。長時間の立ち仕事やランニングなどのスポーツ、合わない靴の使用、肥満、扁平足やハイアーチといった足の形状などが原因となり、足底筋膜に繰り返し負担がかかることで発症します。また、足の指の付け根あたりにピキッとした痛みが走り、しびれを伴う場合は、「モートン病」の可能性があります。これは、足の指へ向かう神経(趾間神経:しかんしんけい)が、足の指の付け根の部分で圧迫されたり刺激されたりして起こる神経障害です。特に、第3指と第4指の間(中指と薬指の間)に起こりやすいと言われています。先の細い靴やヒールの高い靴の着用、あるいは特定のスポーツなどが誘因となります。その他、稀ではありますが、足根管症候群(そくこんかんしょうこうぐん)といって、足首の内側で神経が圧迫されて足の裏にしびれや痛みが放散することや、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛など、腰や神経の問題が原因で、足の裏に関連痛として鋭い痛みが生じることもあります。このように、足の裏にピキッとした痛みが走る原因は様々です。痛みが強い場合や、数日経っても改善しない場合は、自己判断せずに整形外科を受診し、正確な診断と適切な治療を受けるようにしましょう。