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突発性発疹の治療法特効薬はない?自宅でのケア
突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)または7型(HHV-7)というウイルスによって引き起こされる感染症ですが、残念ながら、これらのウイルスに直接効く特効薬(抗ウイルス薬)は現在のところありません。そのため、治療は基本的に、症状を和らげるための対症療法と、安静、そして十分な水分補給といった自宅でのケアが中心となります。まず、高熱に対しては、解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)が処方されることがあります。ただし、熱は体がウイルスと戦っているサインでもあるため、必ずしも無理に下げる必要はありません。熱が高くても、比較的機嫌が良く、水分も摂れているようであれば、そのまま様子を見ても良いでしょう。しかし、熱が高くてつらそうにしている、ぐったりしている、あるいは水分摂取が難しいといった場合は、医師の指示に従い、解熱剤を使用することを検討します。解熱剤は、あくまで一時的に熱を下げて症状を和らげるものであり、病気そのものを治すわけではありません。自宅でのケアで最も重要なのは、十分な水分補給です。発熱によって体内の水分が失われやすくなるため、湯冷ましや麦茶、子ども用のイオン飲料、経口補水液などを少量ずつ、こまめに与え、脱水症状を防ぎましょう。母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんの場合は、いつも通りに授乳を続けて問題ありません。食事については、食欲がない場合は無理強いせず、消化が良く、喉越しの良いもの(おかゆ、うどん、スープ、ゼリー、プリン、すりおろしたリンゴなど)を、本人の欲しがる時に与えるようにしましょう。発疹に対しては、通常かゆみはほとんどないため、特別な塗り薬などは必要ありません。皮膚を清潔に保ち、刺激の少ない衣類を着用させるなどの一般的なスキンケアで十分です。そして、安静と休養も大切です。高熱が出ている間はもちろん、熱が下がって発疹が出ている間も、まだ体力が完全に回復していない可能性があります。無理に遊ばせたりせず、静かに過ごせる環境を整えてあげましょう。これらのケアを行いながら、子どもの状態を注意深く観察し、もし、高熱が何日も続く、ぐったりしていて水分も摂れない、けいれんを起こした、意識がおかしいといった場合は、速やかに医療機関を受診してください。