めまい・難聴・耳鳴り…メニエール病を疑ったら何科?
突然、周囲がグルグルと回転するような激しいめまい。同時に、片方の耳が聞こえにくくなったり、耳鳴りがしたり、耳が詰まったような感じがしたり…。これらの症状が繰り返し起こるようなら、それは「メニエール病」のサインかもしれません。メニエール病は、内耳のリンパ液の異常(内リンパ水腫)が原因で起こると考えられている病気で、放置すると難聴が進行する可能性もあるため、早期の適切な対応が重要です。では、このメニエール病が疑われる場合、どの診療科を受診すれば良いのでしょうか。答えは明確で、耳鼻咽喉科です。耳鼻咽喉科医は、耳、鼻、喉の病気を専門としており、メニエール病のような内耳の疾患の診断と治療において、最も専門的な知識と経験を持っています。問診では、めまいの性質(回転性か、浮動性か)、持続時間、頻度、誘因、そして難聴や耳鳴り、耳閉感といった聴覚症状の有無や変動について詳しく聞き取ります。診察では、眼振(がんしん:眼球の異常な動き)の観察や、平衡機能検査(体のバランスを調べる検査)を行い、めまいの原因が内耳にあるのかどうかを評価します。そして、メニエール病の診断に不可欠なのが聴力検査です。メニエール病では、初期には低音域の感音難聴が見られることが多く、めまい発作と連動して聴力が変動するという特徴があります。これらの専門的な検査と診察結果、そして特徴的な症状の繰り返しに基づいて、メニエール病の診断が下されます。他の診療科、例えば内科や脳神経外科などでも、めまいの症状で受診することはあるかもしれませんが、メニエール病の確定診断と専門的な治療のためには、最終的には耳鼻咽喉科への受診が必要となることがほとんどです。自己判断せずに、まずは耳鼻咽喉科の専門医に相談しましょう。